はじめに

水にはさまざまな情報を記憶する能力がありますが、記憶された情報を直接目で確認する方法がありませんでした。オフィス・マサル・エモトの江本代表は、目に見える形として何とか水に刻印されている情報を視覚化したいと考えました。雪の結晶にヒントを得て、数ヶ月の試行錯誤の後の1994年に、水の氷結結晶写真撮影法を開発することができました。世界で初めて、水が記憶している情報を氷結結晶という目に見える形として示すことができるようになったのです。

この方法を使って、河川水、湖水などの天然水、名水と呼ばれる湧水、各地の水道水など、さまざまな種類の水を調べた結果、いわゆる“良い水”はとても美しくバランスの取れた六角形の結晶構造を示すことが分かりました。逆に汚染された水の場合には、美しい結晶構造が見られませんでした。

水に対して音楽を聞かせたり、写真を見せたり、文字を見せたり、あるいは気を送ったり、祈りを捧げたりすることによって、その結晶構造がどのように変化するかについても実験を重ねました。いずれの場合にも、水は敏感に反応して、その姿を変えることが分かりました。

水に文字を見せたところ、「ありがとう」という言葉を見せた水は、六角形の力強い結晶を作ってくれました。ところが「ばかやろう」という文字を見せた水の場合には結晶構造が壊れてしまいました。そして「愛 感謝」の文字を見せたときに、水はもっとも美しい姿を見せてくれました。

「ありがとう」を見せた
水の結晶写真
「ばかやろう」を見せた
水の結晶写真
「愛 感謝」を見せた 水の結晶写真

結晶写真を通じて水から教わったことをまとめて、1999年に水の結晶写真集「水からの伝言」が製作されました。2009年現在、シリーズ第4巻まで出版されており、その関連本は現在45ヶ国語で翻訳されて、75の国々で延べ300万部ほど発行されています。

「水からの伝言」第1巻
「水からの伝言」第2巻
「水からの伝言」第3巻
「水からの伝言」第4巻

映画“ウオーター”の全体の流れを通してみると、「水からの伝言」がとても大きな役割を果たしていることがよく分かります。映画のシナリオの流れ全体を力強く牽引しているのが、実は「水からの伝言」であると言うことができるでしょうし、“ウオーター”は映画版「水からの伝言」である、とさえ言うことができるかも知れません。

それほどにまでに“ウオーター”で伝えられているメッセージは、「水からの伝言」の内容とピッタリと一致しています。ですが、「水からの伝言」そのものは、科学的な報告ではなくて、著者の江本勝自身が言っているように、いわば「ファンタジー」です。ですが、“ウオーター”を見ると、「水からの伝言」が伝えている内容は、江本勝以外にも世界のさまざまな人々によって同じように伝えられてきており、そしてまた現在、専門の科学者たちによって、少しずつ科学的に検証されつつあるのだ、ということが分かります。

「指が月をさす時、愚者は指を見るが、賢者は月を見る」という格言があるそうですが、「水からの伝言」はまさに月をさす指のひとつであり、私たちとしては、指ではなくて、月を見ていく必要があるのではないでしょうか。